カフェ・ド・エルサイトウ
カフェ・ド・エルサイトウ
お客様心理
お客様心理
おかげさまで、エルサイトウはもうずいぶん長い間、年に何回かは様々な雑誌や新聞等に、その独自の活動ぶりをご紹介していただいてきました。もちろん決して派手なタイプのお店ではありませんから、ご紹介くださるのも決して派手な媒体ではありませんが。
でも、こういうことは、なかなか自分ではご紹介がしくいもので(僕は何でも手当たり次第に書きまくっているように見えるかもしれませんが、やはり書きにくいテーマもたくさんあるのです)これまではとくに取り上げることはいたしませんでした。
ごく最近取材を受けた雑誌に「月刊ストアジャーナル」という雑誌があります。その雑誌の最新号に「お客様心理」に関する特集記事があり、その中でもエルサイトウが取り上げられて おります。短時間の取材にしては、よくまとめているな、と感じましたので今回は思い切ってご紹介させていただくことにしました。なんだか自慢話をするようで申し訳ありませんが、内容的にこのウエッブサイトとも関連がありますので、よろしければご一読ください。
お客様心理に強くなりたければ、店の独自性や方針を明確に打ち出せ!
株式会社エル・サイトウ 代表取締役社長 齋藤 恵
埼玉県久喜市にある大正元年創業の宝石店「エルサイトウ」は、立地の悪さを跳ねのけ、多くの顧客に愛され続けている。いったいどのような取組みでお客様の心理を掴んでいるのか、社長の齋藤氏に話を聞いた。
「エルサイトウ」は1912年(大正元年)に祖父が始めた宝石店です。今も当時と変わらぬ地方都市の駅か ら3〜4分離れた場所で営業を続けています。常識的に言えば、商業地として一等地だとはとても言えない立地ですが、今こうして多くのお客様にご利用いただいているのは、この悪条件をバネにして、立地に頼らなくてもご来店いただけるよう独自性と満足感を提供する店づくりをしてきたからだと考えています。
お値引き以上の満足が残るイベントで顧客の囲い込みに成功
お客様に満足してもらえる店をつくるには、「お客様心理」に強くなることが欠かせません。そこで私達は、常に「私がお客様だったらどうしてほしいか」を考え、女性のお客様が家事から離れてゆっくりとお買物できるよう店内に喫茶スペースを設置したり、来店が大変なご年輩のお客様のためにメガネ・補聴器の無料巡回サービスカーを用意したり� �DMと一緒にさまざまな特典があるクーポン券を配布するなどの取組みを行なってきました。
なかでもとくにお客様から好評なのが、私達が自ら企画し行なっているイベントです。当店では年2回の新作ジュエリー発表会でのご注文金額に応じて、さまざまなイベントに無料でお客様をご招待しています。たとえば、20万円以上で「ワイン・テイスティング講座」、50万円以上で超一流レストランでの「クリスマス・ディナー」、120万円以上で「晩秋の京都グルメツアー」、150万以上で「香港グルメツアー」など。どのイベントも一流の講師やホテル、レストランを選びセッテイングしたもので、香港グルメツアーなどは大手旅行会社でも実現できない最高の内容です。
なぜ、当店がこのようなイベントを行なっているの か、それは単なるお値引きでは、いくらやっても決してお客様が満足しないからです。確かにイベントを催すよりも値引をするほうが楽です。でも、150万円の商品を2割引して120万円で販売したとしても、時間が経てばお客様は120万円で買ったとしか記憶していません。値引きしてもらった喜びはあっさりと忘れられ、宝石本来の価値まで下げることになります。ところが、イベントに参加したお客様は、その思い出とともに店に対する満足感を一生強く記憶に残しているのです。
また、これらのイベントには「美しく装いたい」という女性客の心理を満足させる意図もあります。宝石を身に付けるチャンスが少ないお客様を、当店が一流ホテルやレストランにご案内することで、誰憚ることなく堂々と宝石を身に付け楽 しんでいただいているのです。
粘土をMAKにする方法さらに、イベントを通じてお客様と私達との距離が非常に近くなり、より親密なコミュニケーションがとれるようにもなります。店頭では遠慮してなかなか本音を言うことはないお客様でも、イベントの場でならいろいろとお話ししてくださるのです。
すべてのお客様心理に忠実になってはいけない
しかし、私達は「お客様心理に強くなること」=「すべてのお客様心理に忠実であること」だとは考えていません。すべてのお客様の考えを受け入れることは、結局のところお客様のためにもお店のためにもならないからです。なぜかと言うと、それはすべてのお客様のニーズを実現するのは不可能だからです。それなのにあらゆるタイプのお客様の声を聞こうとすれば、お店� �中途半端になり、誰からも支持されなくなってしまいます。不遜な言い方のように聞こえるかもしれませんが「お店はお客様に選ばれるものであるとともに、お店もお客様を選ぶもの」なのではないでしょうか。
当店が一流のジュエリーにこだわるのも、一切お値引をしないのも、そうした考えがあるからです。品質やサービスの質にこだわらず、とにかく安いものが好きな方には当店は向いていません。でも、それはそれで良いのです。私達は「良いものを永く大切にしたい、一つ上の満足が得られるものがほしい」という同じ価値観を持ったお客様のために努力していきたいのです。
お店とお客様の共通の価値観を育むためには、お店の方針を明確に発信することが必要だ
ですから「自店のお客様心理に強くなる」ため には「私がお客様だったらどうしてほしいか」を考えるだけでなく、「お店の方針を明確に打ち出す」ことも大切だと考えています。当店が上質の素材を使用した上品な雰囲気の店内にしているのも、本場ヨーロッパの一流メーカーからしか商品を輸入しないのも、すべて本物志向に徹するお店の姿勢の表われであり、方針を明確にアピールしようとしているからです。
3年前からはホームページを開設し、ネット上でも、お店の姿勢が伝わるようあらゆる情報も発信しています。こうすることで、共通の価値観を感じてくださったお客様と当店の結びつきはたいへん強固なものになります。
すべてのお客様の気持ちはどんなに努力してもわかるものではありません。でも求めるものが同じお客様の気持ちであれば、細かな点ま� �気付くことができます。その気付いた点を実現するのが専門家の集団であるお店の役割であり、お客様に信頼と一つ上の満足を提供することになるのではないでしょうか。結局、お客様心理に強くなるとは、お客様とお店がどれだけ信頼関係を築き、共通の価値観を育めるかにつきます。
たとえば、当店のホームページには1日に100件近くのアクセスがありますが、その中の掲示板は、商品の質問からイベントの感想、お客様が興味ある音楽や絵画、文学のことなどいろいろなテーマの記事でいつもにぎわっています。お付き合いが始まったばかりの方もいれば、長くお付き合いしている人もいます。ただ、この情報発信を続けるうちに次第にただのお客様とお店の関係から一歩前に進み、私達はお客様が求めているものを理解� �きるようになり、お客様には私達がどうしていきたいのかが伝わるようになるように思います。
まずは、自店の独自性やセールスポイントを明確にアピールし、自店のお客様は誰かをはっきりと知ること、そしてそのお客様のためにプロとして、できるだけのことをすることが、お客様心理に強くなるための第一歩になるのではないでしょうか。
Re:1 今井 2000年12月08日(金)00:00「値引き以上の満足が残るイベントで・・・」にはエルサイトウさんのサービス精神が思いっきり発揮されているのでしょうね。カフェ・ド・エルサイトウを見ればそれが良くわかります。
スパイスはどこから来るのか「お店はお客様に選ばれるものであるとともに、お店もお客様を選ぶもの」には全く同感です。お客様の中には買う買わないにかかわらず、他のお客様やお店にプラスの影響を与えてくれる方とマイナスの影響を与える方がいるからです。お店側のコントロールと毅然とした態度が必要ですね。
「同じ価値観を持ったお客様のために努力していきたい」
「お店とお客様の共通の価値観を育むためにはお店の方針を明確に発信することが必要だ」とは明確なコンセプトですね。これはどの業種にも当てはまる事ですよね。うちもエルサイトウさんを見習ってお店の方針をもっと明確に発信しようと思いました。こんなところで経営コンサルティングまでしていただい� �ありがとうございました。
『ストアジャーナル』は確かに地味ですがいつもとても充実した的を得た内容ですよね。私も2年間愛読しておりましたが読むのが遅い方なので、ためてしまいまして、やむなく11月号で更新を打ち切りました。でも今までの分は為になるのですべて取ってあります。
エルサイトウさんが掲載された「お客様心理に強くなる」は12月号の特集ですね。残念でしたがカフェ・ド・エルサイトウで拝見することができて良かったです。定期刊行物をためない方にはぜひオススメの雑誌ですヨ。
マスター恵さん、大変ご無沙汰しておりました。紀尾井町のゆきです。
何とも私にとってタイムリーというかまさにお伺いしてみたいと思っていたことが。。。思わず久しぶりにこうして書き込みをしております。
3年前の秋、紀尾井町で予約制のジュエリーサロンを開業し、リフォームやオーダーを中心にごくごく限られたお客様のために私に出来る範囲のことをやって参りました。今年の春に、とても忙しくなってきたのをきっかけに(嬉しいことです!)仕事を手伝って下さる方を探し、それであれば、と法人化しました。一方、リフォームやオーダーとは別に、フランスより直輸入しているレジン(樹脂)を用いたジュエリーも手がけていたのですが、こちらの方も少しずつですが順調に動くようになったのをき� �かけに、地元杉並の駅ビルに支店を出しました。(私、生まれも育ちも荻窪なのです。)支店が開店してから3ケ月経つのですが、やはりこれまでの形態とはかなり異なるため、お客様のご要望を伺っては右往左往していたところだったのです。
この秋、実に5年ぶりのパリへ行き、思い切って品揃えをしてみたり、インターネット上に無数にあるプロモートのサイトへ登録してみたり、つてを頼っては通販のカタログに掲載をしてみたり、そして売れたり売れなかったりで一喜一憂していたところだったのです。
これは大先輩である恵さんにちょっとご相談してみようかな、と思っていたところだったのでした。
何だか、突然一気に扉が開いた、そんな感覚でこれを書いております。興奮気味ですので、あとで読み返したら恥 ずかしくなるかも。。。でも今の正直な印象なので、迷わず「メッセージを送る」ボタンを押してしまいます!
自己中心的なメッセージであることは充分承知しつつ。。。
恵さん、ありがとうございました!
同時に、どんな仕事でも、自分に忠実であり、他者へ思いやりを持 つこと、という原則は変わらないのだなぁ、とも思いました。(全く分野の違う仕事をしている私ですが、同じ原則は忘れないように心掛けているのです。)エルサイトウも、今井さんのお店も、ゆきさんのお店も伺ったことはありませんが、もうなんだか店内の雰囲気がわかるような気がします。
エルサイトウのことは、友人の着けていたイアリングに惚れ込んで譲ってもらったことから知ったと、いつかお話したことがあるのですが、覚えてくださっている方もあるかと思います。(どこに書込んだか、覚えていなくてごめんなさい。)そのイアリングはクリップだったので、アメリカに引越してから、あるジュエリー店でピアスに直してもらいました。そのとき、私がそのイアリングを出した途端、ジュエラーはハッと息をのん で、「こんなすばらしいものを、どこで手に入れたんだ?」と真剣な顔で私に聞いたんですよ。そう言いながらイアリングからは目を離さずに。そして、「こういうすばらしいものを、うちの店にも置けたらなぁ」と、実にうらやましそうに溜め息をつきました。少々ドラマチックに聞こえるかもしれませんが、本当の話です。(このことは既に書込みましたっけ? そうだったらごめんなさい。このごろ物忘れがひどくて…)
恵マスターのジュエリー店を経営していく上での姿勢を読んで、太平洋の反対側の同業者に感嘆の溜め息をつかせたのも、当然という気がしてきます。
(同時に、いい品をさっと見極められるというはジュエラーとしては当たり前のことかもしれませんが、そのことをとっさに表現できる率直さも気に� �って、私はこのアメリカのジュエラーを信用して修理や手入れを頼んでいるのです。)
ゆきさん、しばらくぶりでようこそ当カフェへ。心から歓迎いたしますよ。お仕事も逆風の中でも、順調にご発展の様子ですね。本当におめでとうございます。
ゆきさんをご存じない方もおられると思いますので、ちょっとご紹介させていただきますね。ゆきさんは、ジォイア・キゴシという、同業の僕が見ても本当にすてきなお店とサイトを経営� �ておられるジュエラーなのです。ネットに関しても、僕の先輩でして、現在のエルサイトウのURLが、 となれたのも、ゆきさんのお力があったからなのです。
ゆきさんのサイトは、 です。一見に値するサイトです。よろしければぜひご訪問ください。
今井さんや、日吉さん、ゆきさん、あたたかいエールをいただき、本当に感謝しております。皆様からの励ましや、過分なお言葉は、必ずリアル・バーチャル双方の仕事上で、次の発展のためのエネルギーとさせていただきます。ありがとうございました。と同時に、皆様のますますのご活躍を祈っております。
このカフェで皆様のおしゃべりを聞くのは、いまや僕の至福の時間のひとつです。
今夜(12月9日)は、当店のお客様を30人ほどご招待して、クリスマス・ディナー・リセプションをお台場のラ・カンティネッタ・エノテーカ・ピンキオーリで開催します。「バベットの晩餐」という名画(映画です)について、かつて淀川さんや日吉さんとこの掲示板上でおしゃべりしたことがありましたが、今晩は妻と僕は、バベットになる心境です。近日中にお台場でのバベットの晩餐の様子をご報告しますね。
今晩のディナーにおけるメインの赤ワインは、トスカーナの Casa Sola 1990 (Giuseppe Gambaro)に決めました。たまたま現在来日中のオーナー・ソムリエのジョルジョ・ピンキオーリさんが、齋藤さん達なら是か非でもこれをお出しするように、との指示を支配人の金橋さんに出してくださって、こうなったわけですが、トスカーナの大当たり年の 1990 年は今や貴重品です。(だいたいイタリアワインは、通常はこんなに長く保存しておきませんよね)支配人ご自慢の備長炭のグリルを駆使したお料理も楽しみです。お話だけで恐縮ですが、ご報告は近日中にいたします。では行ってきまーす。
お見えになるお客様もさぞや幸せなのではないかと想像されます。また、お客様自身も、ずーっとお店とおつきあいされることにより、ますます洗練されて、磨かれていかれるのではないでしょうか!
エルサイトウ様のような大きなお店ではありませんが、私も東京で、3年ほど前に気にいったファションブティックをみつけ、いつの間にか、気がついたら週に1回は足を運ぶようになりました。
このお店もお客のことを真剣に考えてくれる実にいいお店なのですが、やはり、いいお店というのは、オーナーの徹底したコンセプトが、その根底に流れているという共通点があるようです。
ちょっと、そのお店のことお話し� ��すと、
オーナーは、オードリーヘップパーンを思わせるような、すてきなパリ感覚のマダムです。
皆が、自然にマダムと呼ぶにふさわしい、お年を感じさせない、着こなしと教養は、皆のため息をつかせるほど!アクセサリーやスカーフの使いかた1つにしても、抜群のセンスです。話題も豊富で、おしゃべりの実に楽しい方です。
お店においてある、洋服や小物はそれぞれのお客様を意識して、選んできてくれます。時にはパリやミラノにも買い付けに!だから毎月、仕入れが間にあわないほど、売れ行きもますます上昇しているようです。
気になるお値段は、いい服はそれなりに高い服もありますが、手に入りやすいリーズナブルなものも用意してメリハリをつけてくれます。(だから、私のようなものでも、行け� �のですが・・・)
それに彼女の誰もまねできないのは、頭の先から、足元まで、バックや靴にいたるまで、トータルコーディネートを一緒に考えてくれることです。
このサービスが今求められていることかもしれません。
また、彼女は、現代のお店のあり方をこういいます。
「今、お客様は、単に物を買いにこられるだけでなく、プラスアルファを求めているのよ!
それは、特にストレスの多い現代社会では、"癒し!"かもしれないわね!」と。
そういえば、私が週1回、お店にいって、お茶やいい音楽を聴きながら、ファション談義や映画の話など、気がついたら、2時間くらい、ついつい長居をしてしまうのも、私も"癒し"にいっているのかもしれませんね!
マダムの計画は、お客の少ない土曜日� �フランス人を招いてワインでも飲みながら、フランス語のレッスンをしたり、シャンソンやタンゴの夕べを催したり、いろいろ夢はふくらんでいるとのことです。
いいお店は、長く続いてくれるよう、私達、お客様が守ってあげようという気にさせうものですね!
どうぞ、エルサイトウ様も、ずーっと何世代も永く続いていかれますようにお祈りしております!
0 コメント:
コメントを投稿